「谷シャツ商会」

出典:「谷シャツ商会公式サイト」

私は腕が長い。
なので、シャツはオーダだ。
色々なシャツ屋さんを試したが、今はすべて伊藤社長のところである。

ある日のこと。
ファション雑誌やインタネットの記事を鵜吞みにして
アルモの生地でシャツを仕立てたくなった。
気心地が最高だとか、十分コスパが高いとか、色合いが素敵だとか・・・

どこかの受け売りのようなセレクトショップの台詞に負けて

でも流石スイスのアルモ。良い値段がする。
今まで仕立てシャツの倍以上の価格だ。

しかし、怖いもの見たさで

「1枚くらいいいかな・・・」と思い

谷シャツ商会さんに伺った。

生地代が高騰しているにせよ、伊藤さんは売価に転嫁すれば良いだけなので
悪い商売ではないはず。
けれども、社長の顔は浮かない。

「どうなされました?」
とお聞きすると、

「確かにアルモは良い生地です。
しかしながら、品質は昔から一緒か、逆に少し悪くなっているくらい。
そのようなものを、お客様に昔の定価の倍以上の値段でご提供することは
シャツ屋として心苦しいのです。」

とおっしゃった。

[傍白]「えっ?いまなんとおっしゃりました?・・・」

なんという接客だ。
完全に客目線。
この人に接客で勝てる気が1ミクロンもしない。

すっかりファンになってしまった。

その心意気に感服し、結局、アルモとギザコットンを買ってしまった。
帰宅後、事後報告で妻の大目玉をくらったのは言うまでもない。

うちに営業に来る方で、シャツがいつもでている若い子がいる。
私はシャツがでている営業さんから機械は買わない。
その子にぜひ伊藤社長を紹介したい。

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